片流れ・屋根断熱・ガルバリウム鋼板の3点セットは危険な屋根なんです!

Dr.神谷
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  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経ホームビルダー」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

新築の屋根を検討している人。

片流れ屋根で雨漏りして、困っている人。

片流れ屋根・屋根断熱で、結露を心配している人。

片流れ屋根・屋根断熱・ガルバリウム鋼板の屋根に住んでいる人。

この記事で伝えたいこと

ここ数年で、増加傾向にある屋根仕様があります。

「片流れ」「屋根断熱」「ガルバリウム鋼板立平葺き」を採用した屋根です!

モデルハウスを見ても多いのではないでしょうか?

しかし、屋根プロからすると心配な屋根仕様なんです。

この記事では、「片流れ」「屋根断熱」「ガルバリウム鋼板立平葺き」の3点セットの注意点とその解決策をご紹介しています。

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片流れ・屋根断熱・ガルバリウム鋼板の3点セットは危険な屋根なんです!

みなさま。こんにちは。

ここ数年で、増加傾向にある屋根仕様があります。

「片流れ」「屋根断熱」「ガルバリウム鋼板立平葺き」を採用した屋根です!

モデルハウスを見ても多いのではないでしょうか?

しかし、屋根プロからすると心配な屋根仕様なんです。

先日、この将来が心配な屋根の3点セットと言える「片流れ」「屋根断熱」「ガルバリウム鋼板立平葺き」の屋根で、雨漏り調査した物件がありました。

なぜ、この3点セットが心配なのか、簡単にご紹介します!

平成29年度、3点セットの割合(金融支援機構調査結果より)

「片流れ」系屋根は40%超え(片流れ30.5%+段違い9.8%)

片流れ系屋根とは、片流れ屋根と段違い屋根(片流れ屋根が2段になっているもの)を指しています。

15年前の平成14年では、わずか1.8%しかなかった片流れ屋根が急増しているのです。

しかし、片流れ屋根は新築時の雨漏りが多いと問題になっています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

片流れ屋根のメリット・デメリット。心配な雨漏り対策もご紹介します!

 

「屋根断熱」は37%超え(10年間で16%増加)

屋根断熱は37%を超えています。(新築の1/3以上が屋根断熱)

その内、71%は硬質ウレタンフォームの断熱材となっています。

15年前の平成14年では、わずか3.7%しかなく、10倍位に急増しています。

しかし、屋根断熱・硬質ウレタンフォームの通気・防湿に関する施工が正しく行われているか、心配しています。

「ガルバリウム鋼板立平葺き」は片流れ屋根の約75%

ガルバリウム鋼板等は片流れ屋根の約75%に採用されています。

つまり、新築時に雨漏りが多い屋根である片流れ屋根の3/4はガルバリウム鋼板立平葺きなのです。

立平葺きは雨漏りが少ないと思われがちなのですが、実は間違っているのです。

15年前の平成14年では14%、平成29年では37%とこちらも急増。

 

「片流れ」「屋根断熱」「ガルバリウム鋼板立平葺き」の急増ぶりとその心配事をあげましたが、この3つが合体するとさらに危険度が増すことを説明します。

3点セット「片流れ」「屋根断熱」「ガルバリウム鋼板立平葺き」で雨漏り

屋根からの雨漏り

3点セットの築2年の住宅で雨漏り。

散水調査をして、屋根からの雨漏りを確認しました。

調査をする上で、この3点セットの屋根はとても心配になりました。

この屋根の問題点

屋根の断面はこんな感じです。

 

上からガルバリウム鋼板、アスファルトルーフィング、野地合板、硬質ウレタン断熱材、小屋裏となっていました。

通気層がない(結露対策)

屋根断熱では、通気層が必要となっているのですが、この屋根は通気層がありませんでした。

念のため、硬質ウレタン断熱材メーカーさん((株)日本アクア)の施工マニュアルを調べてみました。

すると、通気層の確保はしっかり記載されていました。

野地合板と硬質ウレタン断熱材の間で、通気ができるように通気スペーサーやシートを設置するように図までありました。

しかし、小屋裏をよく見たのですが、通気層は確認できませんでした。

仮に通気スペーサーがウレタンの奥に入っていたとしたら、OKなのでしょうか?

いいえ、それだけではダメなのです。

通気層には入口と出口が必要なのです。

ガルバリウム鋼板立平葺きの棟部分を確認しましたが、出口となる排気孔はありませんでした。

この屋根では仮にスペーサーが入っていたとしても、通気層としては働いていないのです。

つまり、断熱材メーカーの施工マニュアル通りに屋根ができていないのです。

そうなると問題はあるの?

もちろん問題があります。

先ほど、雨漏りしたと説明しました。

 

雨漏りして野地合板が濡れます。

この濡れた野地合板は上にはガルバリウム鋼板・アスファルトルーフィングがあって、乾きません。

下は硬質ウレタン断熱材に覆われていて、乾きません。

つまり、野地合板の水分は逃げ場がなく、長時間含水が続くと野地合板が腐朽するリスクとなります。

 

また、施工ミスはもう1つありました。

防湿層がない(結露対策)

防湿層も小屋裏の天井にはありませんでした。

断熱材メーカーさん((株)日本アクア)のマニュアルでは、通気層・防湿層の設置が記載されていました。

3点セットの問題点は短期間に急増していて、納まりの検証が不十分です。

3点セットの問題点はそれぞれが急増したことだと思います。

「片流れ」屋根は雨漏り対策が不十分です。

「片流れ・ガルバリウム鋼板立平葺き」は換気・通気の方法がしっかりと確立されていません。

これは軒の出の有無によっても大きく異なります。

「屋根断熱・硬質ウレタン断熱材」は防湿層・通気層の細部までしっかりと確立されていません。

この不十分な屋根仕様で、今後、長期に渡って健全な屋根であるか、判断つかないと思います。

3点セットの対策は?

3点セットの対策は、この3点セットを採用しないことだと思います。

例えば、片流れ・屋根断熱を優先するなら、屋根を瓦かスレート屋根にする。

片流れ・ガルバリウム鋼板立平葺きを優先するなら、天井断熱とする。

どうしても3点セットをしたいなら、通気する屋根とする。(「通気野地」・「透湿ルーフィング」・「通気工法」にする。)

屋根の通気に関しては、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

海外の長寿命住宅を参考に、金属屋根の通気を考えてみた! 検討して損なし!!

まとめ:急増している3点セット「片流れ」「屋根断熱」「ガルバリウム鋼板立平葺き」はやめておきましょう!

ここ数年、「片流れ」「屋根断熱」「ガルバリウム鋼板立平葺き」の3点セット仕様が急増しています。

雨漏りや結露対策がまだ不十分な場合も多くありそうです。

お客様がこの3点セットの屋根としたいのか、よく考えてください。

こだわりがないなら、何か1つ変更することをおススメします!

屋根に関しては、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。

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